服飾文化専攻では、4月中服飾講座を配信します。
専攻で学ぶことのできる生活文化や服飾文化、教育等、様々な知識をお伝えしていきます。(毎週月曜・木曜に更新予定)

 

「教える」、「学ぶ」とはどういうこと?

 

 教科書などにある正しい情報を伝えることが「教える」で、その情報を受け取ることが「学ぶ」と考えている人が多いと思います。果たして、この考え方は正しいでしょうか?

 

 学習者の中には、教科書などにある正しい情報とは一致しない、または対立するような過去経験や知識を、教えられる前にもっている人がいます。このようなケースは意外と多いのではないかと思われます。このような学習者に、教科書などにある正しい情報を伝えるだけでは、「わかる」とか「理解する」を実現することは難しいと思います。「教える」とは、それほど単純なことではないのです。

 「学ぶ」ということについても同じことが言えます。対立的な過去経験や別の知識をもっている学習者は、教科書にある正しい情報を受け入れることができないかもしれません。両者の間には、どうしても矛盾や対立があるからです。しかし、学習者が、自分の過去経験や知識を否定したり、無視したりすれば、正しい情報を受け入れることができるかもしれません。では、それができたとして、果たして、それを「学ぶ」とか「理解する」とか「わかる」とみなしていいでしょうか? 「学ぶ」とは、そんなに単純なことではないのです。

 

 「学ぶ」とは、学習者が、教科書などにある正しい情報、自らがもつ過去経験、知識などを包括的に関連付けて、独自の新しい知識構造を構成するという主体的で能動的な行為なのです。そして、その行為を援助したり、促したりするのが「教える」という行為ではないかと思うのです。

 

 どうやら「教える」や「学ぶ」は、私たちが考えている以上に、複雑で、奥が深いと考えられます。大学で「教育心理学」や「教授学習心理学」を学ぶ理由は、もしかしたら、このあたりにあるのかもしれません。将来、「教師」になることを目指している人は、ぜひ「教える」、「学ぶ」とはどういうことかを問い直した上で、「教師」としての専門性を身につけてください。そして、実践的な経験を積み重ねることで、さらに専門性を高めてください。それでは、今から準備を始めましょう。(できることから始めましょう)。

 皆さんのがんばりで、世の中における「教師」の社会的地位を高めてください。

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生文大通信

先輩が入学を決めた理由

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